星の王子さまの名言から、現代人に足りない「本当に大切なもの」を考察する

星の王子さまの名言から、現代人に足りない「本当に大切なもの」を考察する。 人生を豊かにする本の要約
星の王子さまの名言から、現代人に足りない「本当に大切なもの」を考察する。

星の王子さまの物語には数々の名言が溢れています。物語が作られたのはずっと昔ですが、現代の私達にも通じるものがあります。本記事は「星の王子さま」の名言から、私達が忘れてしまった「本当に大切なもの」は何かを考察してみます。

なお本記事は、あくまでも私個人の解釈です。100人いれば100通りの解釈があると思いますので、私の考えを押し付けるつもりはありません。一番大事なのは、自分ならどう解釈するかを考え続けることなのですから。

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「星の王子さま」のあらすじ

星の王子さまのあらすじをご存じない方のために、あらすじを簡単に紹介します。

この物語は、飛空士である「僕」が砂漠に不時着するところから始まります。「僕」はそこで小さな星からやってきた王子さまと出会います。「僕」は、飛行機の修理をしながら、王子さまの星や様々な人たちが住む別の星の話を聞きながら王子さまとの仲を深めます。

ここで時間が遡り、王子さまが地球に来る前、自分の星に住んでいた時の話に移ります。王子さまの住んでいた星はとても小さく、その星に生えるバオバブという名前の木を、見つけては抜いていました。なぜならバオバブは育つと巨大になって星を破裂してしまうからです。

いつの日か、種が芽吹いてそれを「またバオバブではないか」と注視していたところ、綺麗なバラの花が咲きました。自分の星にひとりぼっちで住んでいた王子さまにとって、バラは大事な存在になります。しかし、バラの気まぐれな態度を取ります。それに嫌気が出した王子さまは、バラに愛想をつかして、自分の星を旅立つことを決意します。

自分の星から旅立った王子さまは、旅の中で、いくつもの他の星に立ち寄ります。1つ目の星は、「王様」が一人で住む星。2つ目の星は「うぬぼれや」が一人で住む星。3つ目の星は「酒びたりの男」が一人で住む星。4つ目の星は「ビジネスマン」が一人で済むの星。5つ目の星は「点灯夫」が一人で住む星。6つ目の星は「地理学者」が一人で住む星。

6つの星に立ち寄る中で、王子さまはそとの世界に触れて、多くのことを学びます。

そして最後に、私たちの住む地球に到着します。王子さまは「僕」と出会う前にキツネと出会います。キツネは「もし自分(キツネ)が王子さまと絆を結べば、麦畑を見たときに、同じ黄金色の髪の色をした王子さまを思い出せるようになれる」と話します。キツネとのやりとりを重ねるうちに、王子さまは自分の星のバラと絆を結んでいたこと、同時にバラに対して責任があることを自覚します。

そしてその後、王子さまは「僕」と出会います。「僕」の飛行機の修理の目処が立ったある時、「僕」は王子さまが強い毒を持つヘビと話をしている所を目撃します。王子さまは重たい体を置いて、魂だけで自分の星へ帰ろうとしていたのです。

バラへの責任を果たすために星に帰ることを決意した王子さまは、蛇に噛まれて自分の星へ帰っていきました。そして、不思議なことに翌日には王子さまの体も消えてしまいました。

星の王子さまの名言から、現代人に足りない「本当に大切なもの」を考察する

「言葉」でなはく「行動」で判断しよう

「バラの言葉ではなくて、バラの行動に基づいて判断するべきだったんだ。バラは、素敵な香りでボクを満たし、ボクの心を明るくしてくれた…」

星の王子さま より引用

王子さまの住む星に花を咲かせたバラは、王子様に意地悪を言ったり、王子様を困らせる存在でした。

そんなバラの言葉のトゲに嫌気がさした王子さまは、この星から旅立つことを決心します。

旅に出る直前、今までバラの意地悪な言葉だけに気を取られていた王子さまでしたが、実はバラが星をすごくいい香りで満たしてくれていることに気づき、後悔するのでした。

現代社会でも、言葉だけで判断してしまうことって多いですよね。

  • 有名人がちょっとした失言で炎上
  • 経歴を詐称するYoutuber
  • 口先だけが上手い人が昇進
  • 心配性でいつも心配ばかりする親にイライラ

人は「言葉」ではいくらでも誤魔化したり、自分を大きく見せることができます。しかし「行動」にはその人の魂や生き方が反映されます。

分かりやすい「言葉」だけで判断することはとても簡単ですし余計に悩む必要が無いのでついそっち側に逃げたくなってしまいます。

しかし、本当に大切なのは「言葉」ではなく、「行動」の中にこそあるのではないでしょうか?

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本当に知恵がある人はきちんと自分を裁ける

「もしお前が、きちんと自分で裁くことができたら、そのとき、お前は本当の知恵を持っていることになる」

星の王子さま より引用

自分の星を後にして、いろいろな星を旅していた王子さまは、王様が一人で住む星を訪れます。この王様は、権威に溺れた人間の象徴として描かれているのですが、そんな王様も良いことを言います。

皆さんは、自分を自分で裁くことができますか?他人、特に自分から遠い赤の他人ほど、人は理性的に裁くことができます。

  • 裏金を横領した政治家
  • 車で通行者をひき逃げした上級国民
  • マスクを買い占める転売ヤー

これらの人たちを、あなたはきっと堂々と「良くないことをしている」と裁くことができるでしょう。

しかし、あなた自身のことはどうでしょうか?

  • 誰も見てないし信号赤だけど渡っちゃえ
  • 燃えるゴミだけど、燃えないゴミに混ぜて捨ててもバレないだろう
  • リモートワークでバレないから仕事サボろう

「人の振り見て我が振り直せ」という言葉がある通り、あなたの子供や部下に尊敬される、知恵のある立派な人でありたいなら、まずは自分を裁けるようにならなくてはいけないのかもしれません。

堂々巡りの考え方になっていませんか?

自分の星を後にして、いろいろな星を旅していた王子さまは、酔っぱらいが一人で住む星を訪れます。この酔っぱらいは、堕落に溺れた人間の象徴として描かれています。

酔っぱらいは、お酒の入った瓶と、空になった瓶をたくさん並べて静かに座っています。王子さまが「どうしてお酒を飲むんですか?」と聞くと、酔っぱらいは「恥ずかしいと思っていることを忘れるためさ」と答えます。

王子さまがさらに「何を恥ずかしいと思っているんですか?」と聞くと、酔っぱらいは「酒を飲むことが恥ずかしいのさ」と答えます。王子さまは途方にくれてこの星からすぐに出発してしまいます。

星の王子さまの名言から、現代人に足りない「本当に大切なもの」を考察する

その後、王子さまはビジネスマンが1人で住む星を訪れます。このビジネスマンは、所有に溺れた人間の象徴として描かれています。

ビジネスマンは、空に輝く星を1つ1つ数えながら「この星は全て私が所有している」と主張します。そこで王子さまは「星を所有すると、どんな良いことがあるんですか?」と聞きます。するとビジネスマンは「星をたくさん所有していれば、豊かだろうが」と答えます。

王子さまはさらに「豊かだと、どんな良いことがあるんですか?」と聞きます。するとビジネスマンは「誰かが別の星を発見した時に、それを買うことができる」と答えます。この返答に対して王子さまは「この人は、あの酔っぱらいと似たような考え方をしているなぁ。つまり堂々巡りなんだ」と考えます。

さて、皆さんはどうでしょうか?「なぜ、お酒を飲むのか?」「なぜ、所有するのか?」という王子さまの問いにきちんと答えられますか?「お酒を飲みたくてお酒を飲む」「お金を稼ぐために働く」のように堂々巡りになっていませんか?

とくに「なぜ、所有するのか?」は全ての社会人が常に自分に問い続けるべき永遠のテーマだと私は考えます。このお話では「所有」を求めて常に忙しく働き続けるビジネスマンが描かれていました。つまり「所有」は「働くこと」と同義として描かれています。

では、あなたはなぜ働くのでしょうか?

  • 人生のやりがいを見つけるため?
  • 社会との繋がりを持つため?
  • 世界に貢献するため?

私の答えは「お金を稼ぐため」です。私は恥ずかしながら出来た人間ではないので、やりがいとか繋がりとか、目に見えないもののために無償で働くことは出来ません。お金が貰えるから辛い仕事にも取り組むし、長い通勤時間も耐えられます。きっと、この記事を読んでいる皆さんも、ほとんどのビジネスマンは私と同じだと思います。

では、なぜお金を稼ぐのか?それは、自分や自分の大切な人が幸せになるためです。どこへ出掛けても必ず帰る家がある安心感、家に帰れば夏は涼しく冬は暖かく、家族と美味しい食事を食べて楽しく会話し、夜はふかふかの布団で寝る。そんな生活を守るために私は働いています。

そう考えると、このお話のビジネスマンのように、過剰に所有することも、過剰に働くことも無意味ではないかと考えます。幸いにも、私の幸せは安上がりです。高級車を所有しなくても、都内の高層マンションに住まなくても、同世代の社会人より大金を稼がなくても、不幸にはなりません。

さて、皆さんの幸せとはなんですか?その幸せのために多くのものを所有したり、過剰に働く必要はありますか?忙しい日々の中でつい忘れがちなことです。今一度「なぜ働くのか?」を考えてみてはいかがでしょう?

変わらない規則を守ることに意味はあるのか?

自分の星を後にして、いろいろな星を旅していた王子さまは、点灯夫(街灯に火をつけたり消したりする仕事の人)が一人で住む星を訪れます。この点灯夫は、規律に溺れた人間の象徴として描かれているのですが、そんな点灯夫を王子さまははじめ、高く評価します。

理由は「王様や酔っぱらいやビジネスマンよりはマシだ。」「だって、その仕事にはちゃんといみがある」

王子さまは、何度も街灯に火をつけたり消したりする点灯夫の行動を不思議に思い、こう訪ねます。「どうして、また街灯をつけたのですか?」すると点灯夫はこう答えます。「規則は規則なんだ。わかる、わからないの問題じゃない」そう言ってまたすぐに街灯の火を消します。

聞くと、点灯夫の住む星の回転がどんどん早くなっているのに、規則は変わらなかったから常に街灯に火をつけたり消したりしているそうです。

王子さまは心優しいので、最後まで「この人は変な人だけど、自分以外の人達のために働いている」と評価していました。

このお話は、今まさに現代人が抱える問題です。新型コロナウイルスの世界的流行で、生活は一変しました。今まで当たり前だと思っていたことが、当たり前でなくなってしまったのです。

そんな激動の今の時代に呑気に「規則は規則なんだ。わかる、わからないの問題じゃない」なんて言っていたら、世界から取り残されてしまいます。常に目の前の常識を疑う、本当に意味のあることだけに集中する。これが、これからの世界で生きていくために必要不可欠なことだと、私は思います。

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「自分は特別だ」と有頂天になっていませんか?

自分の住む星を後にした長い星間旅行の最後に、王子さまは地球に到着します。そこで庭に咲くたくさんのバラの花を見て驚きます。

「僕は宇宙にたった一輪しかない花を持っていると思って有頂天になっていたけど、そんなことなかった」「あの花はどこにでもある普通の花だった」

王子さまの星に咲いたバラは「自分は特別だ」「宇宙に一輪しか無いから大切にしなさい」と言っていたので、王子さまはその言葉をそのまま信じてしまっていました。

私は、人間も同じだと思います。「人間だれでも自分は特別な存在だ」と思いたいものです。「自分は平凡な人間だ」と思いたい人はまずいません。どんな人でも「特別でありたい。スペシャルがいい」と思ってしまうのです。そんな欲望は、あなた自身を不要に過大評価させます。本当の実力よりも高く自分を評価してしまうと、さまざまな危険を伴います。

  • あなたの思うあなたの実力と現実の実力の差にがっかりする
  • 過剰な自身で、周囲の人から自信家と評価される

さらに、世の中にはあなたが思う「特別でありたい。スペシャルがいい」という気持ちを利用して、あなたにお金を使わせようとする商売で溢れています。

  • 今だけ特別低金利の自動車ローン
  • あなただけに特別にと紹介される不動産

「自分は特別だ」と思うことは気持ちの良いものですが、このようなデメリット・注意しなければいけないことがあります。過剰な自身は身を滅ぼすかもしれません。

ものごとはハートで見なくちゃいけない。大切なことは、目に見えない

地球でたくさんのバラの花を見つけ「自分の星のバラは特別じゃなかった」とがっかりしていた王子さまに、通りすがりのキツネはこのように教えます。

「ものごとはハートで見なくちゃいけない。大切なことは、目に見えない。」

星の王子さま より引用

そして王子さまは「見た目は同じバラだけど、僕の星のバラは僕が世話した特別な存在なんだ」と気づくことができます。

私達人間も見た目や肩書きで判断しがちです。立派なスーツや車を持っていたり、すごそうな肩書きのある人の言うことには「何か深い意味があるのだろう」と聞き耳を立ててしまいます。たとえその人とあなたが友人や同僚でなくても、そう信じてしまうのです。

このように、見た目や肩書きがその人の価値を高めるように感じてしまう勘違いは、ハロー効果と呼ばれており、心理学の世界では有名な効果です。

ハロー効果を巧みに使って、あなたを取り込んだり、お金を使わせようとする人は数多くいます。気をつけましょう。

逆に、立派なスーツや車を持っていなかったり、すごそうな肩書を持たない人を、人は軽く見がちです。その人がどんなに素晴らしい人であっても、この勘違いによってその人の言うことを、あなたは話半分で聞いてしまいます。

しかし、もしかしたらその人とあなたは一生に渡る友達になるかもしれません。にも関わらず、見た目や肩書きで判断して、そうそうに「この人は大したこと無い」と切り捨ててしまうのは、なんと悲しいことでしょう。

あなたは、ものごとをハートで見れていますか?

ハロー効果について詳しく知りたいという方へ。コチラの記事で詳しく解説しています。参考にしてみてください。

勘違いさせる力とは?現場猫に学ぶハロー効果(後半)
「勘違いさせる力」というものがあるのをご存知ですか? 「実力」「運」にも匹敵する力と言われています。「勘違いさせる力」を使いこなすことで、周囲の人から高く評価されたり、良い環境で働くことができます。しかし、この「勘違いさせる力」を有効活用できている人はごくわずか。むしろ 他人の「勘違いさせる力」に振り回されてしまう人がほとんど です。

時間を掛ければ掛けるほど、大切な存在になる

王子さまがキツネに諭される時に、キツネはこう付け加えます。

「君がバラのためにつかった時間が長ければ長いほど、バラは君にとって特別な存在になるんだ」

星の王子さま より引用

これは、仕事についても同じことが言えます。

2014年にロイファナ大学が行ったアンケートと、2015年にミシガン州立大学が実施した研究から「今の仕事に対する情熱の量(=今の仕事を天職と思えるか)は、過去に注いできた時間や努力に比例する」と結論づけられています。さらに「好きなことを仕事にすると、幸せと感じにくくなる傾向がある」とも言われています。

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人間は、長い時間を掛けたものに対して、親しみや愛着が沸きます。あなたが、もし「家族や友人を大切にしたい」と考えていたり「仕事にもっと情熱を持てるようになりたい」と思うのであれば、まずはそれらに費やす時間を増やしましょう。

星の王子さまの名言まとめ

「星の王子さま」でおすすめの名言
・「言葉」でなはく「行動」で判断しよう
・本当に知恵がある人はきちんと自分を裁ける
・堂々巡りの考え方になっていませんか?
・変わらない規則を守ることに意味はあるのか?
・「自分は特別だ」と有頂天になっていませんか?
・ものごとはハートで見なくちゃいけない。大切なことは、目に見えない
・時間を掛ければ掛けるほど、大切な存在になる

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