「メールが上手く書けない」「仕事で伸び悩んでいる」「読書してるけど不安」そんな悩みを抱えるビジネスマンに向けて、19世紀の哲学者ショーペンハウアーの著書「読書について」から、現代のビジネスマンが見習うべき仕事術を紹介します。
結論
- できるビジネスマンは、読書する
- できるビジネスマンは、ポジションを表明する
- できるビジネスマンは、判断は自分で下す
ショーペンハウアー(独:1788年 – 1860年)は、ドイツの哲学者で、主著は『意志と表象としての世界』です。日本での売れており有名な『読書について』はこの著書から抜粋・再編したものです。日本人にも読みやすい文体に翻訳されています。
ドイツ人でありながら、仏教の思想とインド哲学に精通した哲学者です。日本でも森鷗外をはじめ、堀辰雄、萩原朔太郎、筒井康隆など多くの作家に影響を及ぼした人物です。
できるビジネスマンは、読書する
きわめてすぐれた頭脳の持ち主でさえ、いつでも自分の頭で考えることができるわけではない。そこで思索以外の時間を読書にあてるのが得策だ。読書は自分で考えることの代わりであり、精神に材料を供給する。
(ショーペンハウアー「読書について」より)
ショーペンハウアーは著書「読書について」の中で、読書の役割をこのように説いています。
ショーペンハウアーの言葉の通りどんな天才であっても、全てのことをいつでも自分の頭で考えるということはできません。天才が出来ないのであれば、その他多くの凡人には到底不可能です。
ではどうすれば良いか?それは「読書する」ことです。
読書すると、自分以外の人の経験を追体験でき、他の人の考えを自分にインプットすることができます。すると、自分ひとりでは思いつかなかったアイディアを思いつく種になります。
アメリカの実業家ジェームズ・W・ヤング氏は、1940年刊『アイデアのつくり方』の中でこう言いました。 「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何物でもない」と。
新しいアイディアを生み出すためには、既存の要素の新しい組み合わせを発見する必要があり、そのためには、そもそも既存の要素を十分に知っている必要があります。
そのために読書は非常に有効です。「とはいえ、どんな本を読んだら良いか分からないよ」という方のために、私が10年に及ぶビジネスマンの経験から「これは読んでよかったな」と思えた本を解説した記事を紹介します。
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できるビジネスマンは、ポジションを表明する
真に能力ある人物の著作を、その他大勢の作品と区別する特徴は、決然たる明確さ、ならびに、そこから生まれる明快・明晰さだ。こうした人物は、自分が何を表現したいのか、いつも的確にはっきりとわかっているからだ。散文や詩であれ、音楽であれそうだ。凡人の作品には、こうした決然たる明晰さが欠けていて、そこですぐさま見分けがつく。
(ショーペンハウアー「読書について」より)
ショーペンハウアーは著書「読書について」の中で、名著とその他との違いをこのように説いています。
これはビジネスでも同じです。つまり「できるビジネスマン」と「できないビジネスマン」の違いにもそのまま当てはめることができます。
ビジネスシーンでも「何を表明したいのか」「どうしたいのか」をハッキリとさせない人は、ただ相手を混乱させるだけの存在です。
できないビジネスマン
- 状況を解説するだけの、解説マン
- 問題が起こってから「こうなると思ってたんだ」と言う、後だしじゃんけんマン
- 「それは間違ってる」しか言わない、批判マン
- 「どうする?どうする?」と言う、うろたえマン
あなたの周りにもきっといるでしょう。できるビジネスマンと彼らとの違いは「ポジションを表明しているかどうか?」です。
「ポジション」=「自分の立場」です。つまり「どう考えるのか」「どうしたいのか」の意見を持っている人です。
ポジションを表明する人は…
- 意見が明解で分かりやすい。
- 意見が明解で、議論を活発に促す。
- たとえ意見が間違っていても、意見の筋は通っている。
- 自分の意見を持てるほどに、問題に対して深い理解がある。
- 何より問題を解決しようという前向きさがある。
そうは言っても、ポジションを表明する人になることは簡単ではありません。日々の仕事の中で訓練して鍛え上げる必要があります。
具体的な方法としておすすめなのが「自分が当事者ならどうするか?」と考えることです。テレビのニュースや会社で起きたトラブルで「もし自分が当事者ならどうするかな?」と考えるようにしましょう。
そして、あなたの考えと本当の当事者の答え合わせをしてみましょう。答えが合っている必要はありません。もし違っていたら「なぜ違っていたのか?」を考えてみましょう。前提の知識量の違いか?本当の当事者の気持ちになり切れなかったのか?考察が不十分だったのか?
このように、日々考える癖をつけることで、あなたの考える力は鍛えられていき、いざという時にポジションを表明する人になることができます。
できるビジネスマンは、判断は自分で下す
議論の余地ある問題に権威ある説を引用して、躍起になって性急に決着をつけようとする人々は、自分の理解力や洞察の代わりに、他人のものを動員できるとなると、心底よろこぶ。かれらにはそもそも理解力や洞察が欠けている。
(ショーペンハウアー「読書について」より)
ショーペンハウアーは著書「読書について」の中で、自分で結論を下さない人を批判しています。
ビジネスシーンでの議論の対象は、往々にして正解がないものが多いです。そのため、その決断にはとても大きなプレッシャーが掛かります。
このプレッシャーから逃れるために、自分より権威のある説にすがってしまう人は「できるビジネスマン」とは呼べません。
「社長がそう言っているから」「この業界の権威の意向だから」ということを隠れ蓑にして決めた結論では、熱量が足りません。仲間を納得させることはできませんし、きっとあなた自身も納得していないでしょう。
そんな結論では、きっと誰もが他人事のようになってしまい、結果もイマイチなものになってしまいます。
厳しい判断が求められる議論こそ、自分で判断を下しましょう。そして「なぜその判断をしたのか」を深堀りし、関係者に熱意を持って説明しましょう。
熱意のこもった説明なら、きっと周りの仲間は納得してくれますし、あなたのために動こうと心を動かされるはずです。
権威に頼った血の通わない結論より、一人の人間が悩みに悩んで導き出した熱意のこもった結論の方が人を動かす力にみなぎり、きっと良い結果をもたらすでしょう。
まとめ
「メールが上手く書けない」「仕事で伸び悩んでいる」「読書してるけど不安」そんな悩みを抱えるビジネスマンに向けて、19世紀の哲学者ショーペンハウアーの著書「読書について」から、現代のビジネスマンが見習うべき文章術を紹介します。
結論
- できるビジネスマンは、読書する
- できるビジネスマンは、ポジションを表明する
- できるビジネスマンは、判断は自分で下す
ショーペンハウアー(独:1788年 – 1860年)は、ドイツの哲学者で、主著は『意志と表象としての世界』です。日本での売れており有名な『読書について』はこの著書から抜粋・再編したものです。日本人にも読みやすい文体に翻訳されています。
ドイツ人でありながら、仏教の思想とインド哲学に精通した哲学者です。日本でも森鷗外をはじめ、堀辰雄、萩原朔太郎、筒井康隆など多くの作家に影響を及ぼした人物です。