勘違いさせる力とは?現場猫に学ぶハロー効果(後半)

勘違いさせる力とは?現場猫に学ぶハロー効果(後半) 仕事や日常に役立つスキル
勘違いさせる力とは?現場猫に学ぶハロー効果(後半)

「勘違いさせる力」というものがあるのをご存知ですか?

「実力」「運」にも匹敵する力と言われています。「勘違いさせる力」を使いこなすことで、周囲の人から高く評価されたり、良い環境で働くことができます。しかし、この「勘違いさせる力」を有効活用できている人はごくわずか。むしろ他人の「勘違いさせる力」に振り回されてしまう人がほとんどです。

「勘違いさせる力」の正体とは?「勘違いさせる力」を上手に使って、そして逆に「勘違いさせる力」に騙されることなく、幸せになるための方法を紹介します。

本記事は、書籍「人生は運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」を参考に、本書の解説と私の経験・考えを踏まえて「勘違いさせる力」に迫っていきます。

本記事はこんな人におすすめ
・実力があるのに周りから評価されない。
・「勘違いさせる力」に騙されたくない。
・「勘違いさせる力」を有効活用して幸せになりたい。


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辛い時こと直感に頼るな

あなたは、難しい選択を迫られた時どのように決断を下しますか?

  • 考えられる限り考え尽くしますか?
  • 運に身を任せますか?
  • 直感を信じますか?

「直感を信じる」という人は少なくないと思います。

が、これは非常に危険です。今すぐやめたほうが良いです。

理由は簡単。人は直感を信じて判断するとき「勘違いさせる力=錯覚の力」に騙されやすくなるからです。

例えば、あなたが車を買いにカーディーラーに行ったとしましょう。このとき、あなたはお金の支払い方法で悩みます。

  • 「現金一括払いにしようかな?」
  • 「カーローンを組もうかな?」
  • 「カーローン組むなら、ディーラーのローンより銀行のローンのほうが安いかな?」
  • 「いやいや、最終的に一番出費が少ないのは現金一括だよなぁ」
  • 「でも、一度に大金だすのは嫌だなぁ」

それではこの時の、カーディーラーの営業マンの立場で考えてみましょう。営業マンとしては「ディーラーのカーローンを組んでもらう」のが一番嬉しいのです。ディーラーは、車体価格の他にローンの利子を儲けることができますし、ローンのほうが将来のディーラーの収入予想が立てやすいので、現金一括払いはカーディーラー視点で考えるとあまり好ましくありません。

そこで、営業マンは口説いてきます。あなたも経験あるのではないでしょうか?

営業マンは、デフォルトが”ディーラーのローン”になっている契約書を持ってきてこう言います。

  • 「毎月たったの〇〇円の支払いなので、家計を気にしなくて良いですよ」
  • 「ディーラーのローンなら、事務手続きはこちらがすべて負担します」
  • 「ディーラーのローンなら、今日すぐに買った車に乗って帰れますよ」

次に、ディーラーの営業部長が出てきてこう言います。

  • 「お客さまは皆さん、弊社のローンを選択されます」

そして最後にあなたはこう思うのです。「ローン組んだほうが楽そうだし、なにより皆ローンを契約しているのなら、きっと良いローンなんだろう」と。そして、まんまとディーラーの思惑どおりに、ローンを契約するのです。

この言葉や、やり取りの中に、あなたを「勘違いさせる力=錯覚させる力」が散りばめられているのに気づいたでしょうか?

「勘違いさせる力=錯覚させる力」は日常に溢れています。それらは巧みにあなたを騙し、間違った判断をさせようとしてきます。

これに対応する唯一の方法は「知ること」です。「勘違いさせる力=錯覚させる力」にはどんなものがあるのか?どうして人は勘違いしてしまうのか?を知っておけば、対応できるはずです。

前回の記事で「錯覚している人は、自分が錯覚しているとは思っていない」という言葉を引用しました。であれば逆に「自分が錯覚させられていると分かっている人は、錯覚しない」とも言えます。

書籍「人生は運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」では、前回の記事で紹介した「ハロー効果」以外にも数多くの錯覚の原理や対策が記されています。気になった方はぜひ本書を手にとっていただければと思います。

現場猫に学ぶ錯覚の恐怖

みなさん、現場猫のこちらのイラストはご存知でしょうか?

@karaage_rutsubo

この画像は、製造業ではあるあるとして語り継がれている有名な話です。製造工程の検査で検査する人が間違ってしまった場合、その対策として「ダブルチェックしよう」と決まることは珍しくありません。ダブルチェックとは、検査する人を1人から2人に増やして、2人で確認し合うことで間違いを防ぐ方法です。

しかし、すると検査する人の1人目は「2人目の人がちゃんとチェックしてくれるだろうから自分は手を抜いてもいいや」と無意識に思い、2人目の人は「1人目がOKって言ったからたぶん大丈夫だろう」と無意識に思ってしまい、結局のところ間違いは減らないという現象が起きてしまいます。

すると次は「トリプルチェックにしよう」と考えますが、トリプルチェックにしても結果は同じになってしまうのです。製造業ではこの話は半分冗談、半分本気で語り継がれています。

そんな現場猫の画像ですが、実はこれにも「勘違いさせる力=錯覚の力」が働いています。その力の正体は前回の記事でも紹介した「ハロー効果」です。

ハロー効果のハローとは挨拶のハローではなく、後光という意味です。一部の分野だけでも「優秀だ」というイメージが付くと、それがまるで後光のようにその人を照らし、他の分野も優秀なように思ってしまうのです。

この製造業あるあるの場合で考えてみましょう。

1人のチェックで間違いを起こしてしまってダブルチェックにする場合、次は絶対に間違いをしたくないという気持ちになります。すると1人目にベテランの人を、2人目に経験の浅い人を置くことが多くなります。「次は絶対に間違えないぞ」という気持ちから、信頼できる人を検査工程の早い段階に配置したくなってしまうのです。

すると、2人目の経験の浅い人には「ハロー効果」が働きます。

2人目の人は「1人目のベテランがチェックしてくれてるから、たぶん大丈夫だろう」という気持ちが無意識下で湧き上がってしまい、ダブルチェックをしているにも関わらず、ほぼ1人目のチェックしか機能していない状態になってしまいます。

そして時が経つと、1人目のベテランにも「ハロー効果」が働いてきます。

1人目の人は「経験が浅いとはいえ、2人目もチェックしてくれてるから安心。2人目は前はミスしたけど普段はいいヤツだし大丈夫だろう」という気持ちが無意識下で湧き上がってきます。こうなったら、せっかくのダブルチェックがほぼザルです。そう遠くない未来に、また間違いを起こしてしまうでしょう。

この例の恐ろしいところは「2人とも無意識」だったということです。意識の上では当然2人とも「次は間違えないようにしよう」と思っていますが、無意識下での気の緩み・油断が人の行動に影響を与えてしまうのです。

本書「人生は運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」でも、無意識での勘違い・錯覚が意識(=行動)を変えてしまうと触れられています。

そして、この「無意識での勘違い・錯覚が意識(=行動)を変えてしまう」を防ぐには「勘違い・錯覚を知ること」一番の近道です。

書籍「人生は運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」では、前回・今回と紹介した「ハロー効果」以外にも数多くの勘違い・錯覚の原理や対策が記されています。気になった方はぜひ本書を手にとっていただければと思います。

書籍「人生は運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」では、前回の記事で紹介した「ハロー効果」以外にも数多くの錯覚の原理や対策が記されています。気になった方はぜひ本書を手にとっていただければと思います。

あなたの職場もハロー効果に汚染されているかもしれない

書籍「人生は運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」では、ハロー効果の分かりやすい例として、会社組織の意思決定が挙げられています。

例えば、会社の社長がテレビのコメンテーターの意見を鵜呑みにして、それを自分の会社でも実行しようとします。社長から部長、部長から課長、課長から一般社員へとその指令が伝達されます。

このとき、社長は「テレビのコメンテーター」という肩書きにハロー効果を受けて「テレビに出るようなコメンテーターの言うことはきっと正しいだろう」と信じ切ってしまいます。

部長も「社長が言うのなら間違いないだろう」。課長も「部長が言うなら間違えないだろう」。一般社員も「課長が言うなら間違いないだろう」とハロー効果によって、「そもそも、その指令って本当に正しいのか?」ということに疑問を持つこと無く、誰も疑わなくなってしまうというのがハロー効果の恐ろしい側面です。

この会社は、ハロー効果にずぶずぶに汚染された会社と言っても過言では無いでしょう。

ここまでの例は大袈裟ですが、皆さんも少なからず心当たりがあるのではないでしょうか?

まとめ

「勘違いさせる力」は「実力」「運」にも匹敵する力と言われています。「勘違いさせる力」を使いこなすことで、周囲の人から高く評価されたり、良い環境で働くことができます。しかし、この「勘違いさせる力」を有効活用できている人はごくわずか。むしろ他人の「勘違いさせる力」に振り回されてしまう人がほとんどです。

「勘違いさせる力」の正体とは?「勘違いさせる力」を上手に使って、そして逆に「勘違いさせる力」に騙されることなく、幸せになるための方法を紹介しました。

「勘違いさせる力」の記事:前編はこちら↓

勘違いさせる力とは?錯覚資産を育てて幸せをつかめ!(前半)
「勘違いさせる力」というものがあるのをご存知ですか? 「実力」「運」にも匹敵する力と言われています。「勘違いさせる力」を使いこなすことで、周囲の人から高く評価されたり、良い環境で働くことができます。しかし、この「勘違いさせる力」を有効活用できている人はごくわずか。むしろ 他人の「勘違いさせる力」に振り回されてしまう人がほとんど です。

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著者紹介

ふろむだ(fromdusktildawn)
のべ数百万人に読まれたブログ「分裂勘違い君劇場」の著者。
多様な業務経験を活かして、主に仕事論などの記事で人気を博す。
リアルでは複数の企業を創業し、そのうち1社は上場を果たす。
ポストとしては、平社員、上司、上司の上司、上司の上司の上司、取締役、副社長、社長を経験。
業務としては、プログラミング、設計、仕様定義、企画、マーケティング、採用などを経験。
本書は初めての著書となる。

Amazonページより抜粋

最後に

本ブログでは、本書以外にも人生を豊かにする本の要約を記事にしています。

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