「IFRSを聞いたことあるけど、良く分からない」という方に、分かりやすさを重視して解説します。
「IFRSの基礎知識」「IFRSの特徴」「IFRSのメリット・デメリット」「IFRSと日本基準の違い」の順に解説します。
IFRSの基礎知識
IFRSは、International Financial Reporting Standardsの略で、日本語にすると「国際会計基準」です。
IASB(International Accounting Standards Board)、日本語にすると「国際会計基準審議会」が設定する会計基準の総称です。
IFRSの歴史(世界編)
IFRSが開発され、世界にどのように受け入れられてきたかを、紹介します。
- 1970年ごろ、開発が始まります。
- 1980年ごろ、資本市場のグローバル化から、世界各国で共通して使える会計基準のニーズが高まってきました。
- 2005年、EUが世界に先駆けてIFRSの適用を開始しました。
- 2002年、アメリカでアメリカ基準とIFRSの統合に向けた取り組みが開始されました。
- 2007年、アメリカ市場に上場する外国企業へのIFRS適用が認められました。
IFRSの歴史(日本編)
日本は世界を応用にIFRSの受け入れ準備を整えています。
- 2007年、IASBに合意し、日本基準をIFRSに近づける方向で動き出しました。
- 2011年、東日本大震災により、IFRSの適用時期を後ろ倒すことを決定しました。
- 2014~2017年、「日本再興戦略」で、IFRSの任意適用企業の拡大を促進しています。
IFRSの特徴
IFRSは大きく3つの特徴があります。
原則主義
IFRSは、大きな原則や考え方を示しており、数値を用いた詳細なルールまでは規定していません。
詳細なルールは、企業に任せる方針を取っています。これは、世界中で使われる基準であることを意識しているためです。
ちなみに、日本基準は日本国内のみで使われることを想定していますので、細かいルールまで規定されています。このような基準は、細則主義と呼ばれます。
資産・負債アプローチ
IFRSは、資産と負債の定義を重視します。その増減を純利益として認識します。また、資産と負債は、公正価値で評価されることが多いです。
一方で、日本基準は、収益と費用の定義を重視します。その増減を純利益として認識します。
連単分離
連とは「連結財務諸表」、単は「単体財務諸表」の意味です。
IFRSは連結財務諸表のみに適用されます。そのため日本では、子会社を含めたグループ会社全体の財務諸表はIFRSで、各企業の財務諸表は日本企業で作成されます。
IFRSのメリット・デメリット
IFRSを適用することで、企業や投資家にとってメリット、デメリットがあります。
「世界各国の企業との比較がしやすくなる」「世界中から投資しやすくなる」というグローバル展開する企業や投資家にとって大きなメリットがあります。
一方で、新しい会計基準を導入するための負担やコストがデメリットになります。
IFRSを適用するメリット
- 国内、海外の同業他社との比較がしやすくなる
- 国内、海外の投資家に説明しやすくなる
- 海外からの投資、資金調達がしやすくなる
IFRSを適用するデメリット
- 実務の負担増加(ルールづくり、財務システムの改修)
- コストの増加(コンサルタント費用、財務システムの改修費用)
IFRSと日本基準の違い
具体的に、IFRSと日本基準の違いを見てみましょう。
まとめ
「IFRSを聞いたことあるけど、良く分からない」という方に、分かりやすさを重視して解説します。
「IFRSの基礎知識」「IFRSの特徴」「IFRSのメリット・デメリット」「IFRSと日本基準の違い」の順に解説しました。
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